肥満で腰痛になる理由と対策
体重増加が腰痛を引き起こしやすくなる理由について
この記事をご覧いただいている方は運動不足で以前より体重が増えた。産後に妊娠前の体重に戻らないなど、体重の増加によって腰痛に悩まされている方も多いのではないでしょうか?
体重の増加により腰痛が起こりやすくなるというのは、医学的にも広く認識されている事実です。
体重の増加が腰痛の発生リスクを高める原因はいくつかありますので。
今回は、体重増加と腰痛の関係について、詳しく解説していきます。
1.肥満が腰痛を引き起こす理由について
1-1 身体構造と体重の関係
人間の骨格は、体重を支えるために設計されています。胸椎は肋骨により強固に安定していますが、腰部(腰椎)は可動性を重視する為に筋肉に依存しています。
又、体の上半身全体の重さを支える重要な役割を担っています。
その為、体重が増加すると腹部や胸部についた脂肪により、腰椎や周辺の筋肉、靭帯、関節にかかる負担が大きくなるので、腰痛を引き起こしやすくなります。
腰椎は5つの椎骨(L1〜L5)で構成されており、これらは非常に頑丈な構造をしていて、腰椎は衝撃を吸収する為に適度な前湾をしています。
しかし、腹部に脂肪が蓄積すると重心が前方に移動し、腰椎の前湾の角度が強くなります。
運動不足による体重増加してしまった方は体幹の筋力も低下していることが多く、体の重みを支える事ができずに自然な姿勢が崩れ、腰に過度なストレスがかかり腰痛を引き起こします。
体重が増えると椎骨間の椎間板にかかる圧力も増大するため、筋肉による腰痛だけでなく椎間板の劣化や腰椎椎間板ヘルニアなどの足の痺れを引き起こすリスクも高まります。
1-2 腹部脂肪による不良姿勢
不摂生などにより腹部に脂肪が多く蓄積されると、その重みにより重心の変化がおこり骨盤の傾きが変わることがあります。
これにより、腰椎の前湾(前方に曲がる形)が強調される「腰椎過前弯」という状態になることがあります。
腰椎過前湾になると腰に大きな圧力がかかり、このような不良姿勢が長期間続くと腰を支えるのに大きな力が必要になることで、筋肉や関節に負担がかかる為、慢性的な痛みにつながることがあります。
また、体重が増加すると、腹部の脂肪の重みや姿勢を保つために重心の位置異常がおこります。
すると、足のアーチが崩れ偏平足になったり、お腹より下の股関節、膝関節、足関節に過剰な負担がかかり、周辺筋肉の痛みや関節痛を引き起こすことがあります。
その影響で歩行の乱れがおこり腰痛を及ぼすことがあります。
1-3 筋力の低下と運動不足
元々標準体型で運動の習慣があった方でも様々な原因により体重が増加すると、一般的に運動量が減少する傾向があります。
運動不足になると、腹筋や背筋などの体幹の筋肉が弱まり、腰を支える力が低下します。
これにより、腰の周辺筋肉が固くなりちょっとした動作でも腰を痛めるリスクが高まります。
特に体幹の筋肉(コアマッスル)は、腰を安定させるために重要です。
腹部の筋肉が弱くなると、背筋をメインに使った動作が増えることで腰痛のリスクが高くなります。
さらに、運動不足は血液循環が悪くなり更に筋肉は固くなります。
このような状態では腰部の組織に十分な酸素や栄養が供給されにくい状態になり、腰痛が回復する力も低下します。
1-4 肥満と炎症反応
肥満は、全身の炎症反応を引き起こすことがわかっています。
炎症と言っても脂肪が分解される時に発生するため誰でも起こる自然現象です。
しかし、その脂肪も多すぎると分解する際に発生する炎症も多くなります。
特に内臓脂肪は、炎症を引き起こす化学物質を分泌します。
この慢性的な炎症状態は、筋肉や関節に影響を与えるためそれが原因となり腰痛を悪化させる可能性があります。
また、肥満によって引き起こされる物質は糖尿病や高血圧などの代謝疾患や腰痛のリスクを高める要因です。
これらの疾患は、体内の血流や神経の健康に影響を与え、痛みの感覚を強くしシビレ症状も引き起す可能性があります。
1-5 体重増加による心理的要因
運動不足や暴飲暴食により体重の増加、痩せたいのに痩せられない方は自分でもなにか罪悪感のようなものを感じている方が多く精神的にも不安定になっている方も見受けられます。
あのライザップのCMのように姿勢に現れます。
太っている時は自身の無い猫背姿勢、しかし、ダイエットが成功した時はどうでしょうか?
胸を張り見た目も心も自身に満ち溢れていますよね!
体重増加は精神的ストレスによりうつ状態を引き起こすことがあり、姿勢の変化により腰痛を引き起こす場合があります。
また、心理的なストレスは交感神経の緊張により筋肉の緊張を引き起こし、腰部の筋肉に影響を与えることがあります。
ストレスが持続することは、痛みを感じやすくなるだけでなく、慢性的な腰痛のリスクも増加します。
2.体重管理と腰痛予防の方法
体重増加による腰痛のリスクを軽減するためには、適切な体重管理が非常に重要です。次に、腰痛予防に効果的なアプローチをいくつか紹介します。
2-1 適度な運動を行う
有酸素運動や筋力トレーニングを取り入れることで、消費カロリーを増やして体重を管理しながら、腰を支える筋肉を強化します。
有酸素運動はウォーキングや早歩き、体幹を鍛えるエクササイズはドローインやプランクなどが、腰痛予防に有効です。
2-2 正しい姿勢を保つ
お腹に脂肪が多い方はデスクワークなどで長時間座っている場合骨盤が後傾しているが多くお腹に力を入れないで座っている方が多く見受けられます。
自力での姿勢維持が難しい方は腰椎をサポートする椅子を使用したり、腰にクッションを入れるなどして対策をしましょう!
意識的に姿勢を変えたり、整えたりすることも重要です。
2-3 バランスの取れた食事を心がける
バランスの取れた食事は、体重管理だけでなく、筋肉や関節の健康にも影響します。
食事を菓子パンやスナック菓子などで済ませている方はそれを変えるだけで体重にも体調にも大きな変化があります。
寝る前の食事も消化されず脂肪になりやすいので注意です!
特にビタミンDやカルシウムを豊富に含む食品は、骨や筋肉の健康をサポートします。
食べずに痩せると筋力も一緒に落ちてしまうので腰痛のリスクが高まります。
適切な栄養を取りながら腰痛対策していきましょう
2-4 ストレス管理をする
ストレスが強くなると腰痛を引き起こす原因となりますのでヨガや瞑想、深呼吸などリラックスできる方法でストレスを管理することも、腰痛予防につながります。
体重増加による腰痛まとめ
体重が増加すると、腰痛のリスクが高まる主な理由は、腰椎や周辺の筋肉、関節にかかる負荷が増えるためです。
さらに、体重増加に伴う姿勢の変化や筋力の低下、脂肪分解の際に発生する炎症が慢性的な腰痛を悪化させる要因となります。
体重増加や痩せられないストレスにより腰痛が悪化する可能性あります。
適切な適度な運動と食事による体重管理、それにより健康的な生活習慣の維持することでストレス管理が可能になります。
健康的な体重減少は継続的にコツコツ行うことです。
それが肥満による腰痛を予防するための鍵となります。