仕事が忙しくて寝る時間が遅くなる、スマホゲームに夢中になり毎日寝不足、健康に良くないと分かっていてもしてしまう夜更かしですが睡眠は人間の生命維持に必要な手段だという事を軽視している傾向にあります。
この記事をお読み頂き「睡眠の重要性と役割」「なぜ人は眠るのか?」について考えてみましょう。
1.睡眠の重要性と役割
睡眠は単なる休息ではなく、以下のような重要な役割を果たしています。
1-1脳の整理と記憶の定着
勉強するとその場でわかった気がしても翌日忘れてしまうことありませんか?それは睡眠不足が原因かもしれません
人は眠っている間に、日中の経験や学習したことが整理され、長期記憶として定着します。
特に「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が交互に現れることで、脳のメンテナンスが行われます。
1-2ホルモンバランスの調整
成長ホルモンの分泌が促され、体の修復や免疫力向上につながります。
また、食欲を調整するホルモン(レプチンとグレリン)も睡眠と密接に関係しています。
1-3体の修復と代謝の最適化
筋肉や皮膚の修復、老廃物の除去、内臓の機能回復などが睡眠中に活発になります。
最近の研究では、「脳のゴミ(アミロイドβ)」が睡眠中に除去されることも分かっており、アルツハイマー病のリスク軽減にも関与しています。
2.なぜ人は眠るのか?
地球上の生物が平等に与えられている1日24時間というサイクルの中で人間は約3分の1は睡眠にあてられます。
それだけ重要だという事はわかりましたが、上記以外にも睡眠をとる事の理由について仮説があり最近の研究では以下の点が注目されているので紹介していきます。
2-1エネルギー消費を抑る
睡眠をとる事で脳をはじめとした臓器の活動を抑える事で体内のエネルギーを節約する役割があると考えられています。
2-2脳の老廃物を除去
最近の研究では、睡眠中に「脳脊髄液」が流れ込み、グリンパティックシステムという脳内の排泄物を排泄するシステムが働くことで洗いながされることが明らかになっています。
これが不足すると、認知機能の低下や神経変性疾患のリスクが高まる可能性があります。
2-3危険の回避
夜行性の捕食者が活動する時間帯は狙われる側は動くことはリスクしかありません。
その時間帯を無防備に過ごさないよう、睡眠を取ることで意識レベルを下げてリスクを最小限に抑えるという進化的な適応の可能性があります。
2-4腸内細菌との関係
最近の研究では、腸内細菌が睡眠に影響を与える可能性が指摘されています。
腸内環境が悪化すると睡眠の質が低下し、逆に良好な腸内環境を保つことで深い眠りが得られるとされています。
最近は睡眠の質を向上させる腸内細菌配合の飲み物も増えてきましたよね!
3.記憶の種類と睡眠の関係
記憶にはいくつかの種類がありますが、その記憶を効率良く定着させる方法に睡眠は密接な関係があります。
記憶の種類については意外と知らない方も多いのではないでしょうか?
ここでは簡単に紹介させてもらいます。
3-1陳述記憶
陳述記憶(ちんじゅつきおく)とは言葉やイメージを意識的に思い出すことができ、その内容を説明することのできる記憶のことをいいます。
これらの記憶は寝不足状態で取り組むと記憶に留まらず、後から思い出しにくくなってしまします。
- エピソード記憶
個人的な体験の記憶のことを表し、経験した出来事や風景、何を食べたか、楽しかったことや辛かったこと - 意味記憶
特定の場所や時間とは関係なく、知識や事実の情報の記憶の事をいいます。
マッチ鍼灸整骨院は東西線の西18丁目駅の近くにある - 手続き記憶
身体を動かして覚える記憶、自転車や運動の事で一度覚えると一生忘れない記憶といわれています。
3-2作業記憶
作業記憶はワーキングメモリと呼ばれ一次的に脳内に情報を記憶し、どの情報が必要なのか削除してよいのかを瞬時に判断する能力のことを言います
例えば、
- 読んだ本の内容をその場で理解して内容を説明する
- 料理のレシピを見た後にそれを見ずに料理するなど
これらの機能は記憶力を高める訓練や勉強も必要ですが、睡眠により定着するものや睡眠を十分に確保することで記憶の効率化をすることができる。
逆に言えば、睡眠時間を削って長時間記憶することは非効率だという事が分かります。
4.ノンレム睡眠とレム睡眠の役割
4-1ノンレム睡眠(深い睡眠)
ノンレム睡眠は、脳の「メンテナンスモード」ともいえる状態で、特に深い睡眠が重要な役割を果たします。
【主な役割】
- 記憶の固定
日中に学んだ情報が一時的に海馬に保存され、睡眠中に大脳皮質へ転送されます。 - 不要な記憶の整理・削除
脳が情報を選別し、必要なものだけを残すことで、効率的な記憶システムを維持します。 - 脳の老廃物の除去
グリンパティックシステム(脳のリンパ系)が働き、不要なタンパク質(アミロイドβなど)を洗い流します。関連する研究
2007年の研究(Plihal & Born):ノンレム睡眠が「陳述記憶(知識や出来事の記憶)」の強化に関与していることを示しました。
4-2レム睡眠(夢を見る睡眠)
レム睡眠は、脳が活動的で「意識的な思考に近い」状態になっている段階です。
【主な役割】
- 記憶の統合と創造的思考の促進
異なる情報を組み合わせ、新しいアイデアを生み出す。 - 感情の処理と記憶の最適化
ストレスや感情的な出来事を整理し、心のバランスを整える。 - 運動スキルの習得
スポーツや楽器演奏などの「手続き記憶」が強化される。
関連する研究
2010年の研究(Walker & Stickgold):レム睡眠が「手続き記憶(運動スキル)」の向上に関与していることを示しました。
2021年の研究(Harvard University):レム睡眠中に夢を見ながら、感情の処理が行われることが確認されました。
4-3睡眠のサイクルと記憶の最適化
人は一晩に 90分の睡眠サイクルを4~6回 繰り返します。その中で「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が交互に出現します。
【睡眠段階と主な役割について】
ノンレム睡眠による深い眠り
- 脳の回復
- 記憶の固定による陳述記憶(知識・経験の記憶)の強化
レム睡眠による浅い眠り
- 感情の整理
- 創造性の向上による手続き記憶(スキル・運動の記憶)の強化
前半の睡眠は深いノンレム睡眠が多く学習したことや知識(陳述記憶)の定着に重要
後半の睡眠はレム睡眠が多いく感情の整理やスキルの向上(手続き記憶)に重要
4.十分な睡眠時間とは?
では記憶の整理やパフォーマンスを向上させる睡眠は一般的にどのくらい寝ればよいのでしょうか?
成人では7~9時間 の睡眠が推奨されています。
しかし、日本人の平均睡眠時間は約6時間と言われているように理想の睡眠時間を確保できていない方が多いのが事実としてあります。
アメリカの疾病予防管理センター(CDC)によると、睡眠時間が6時間未満の人は心臓病、糖尿病、肥満、認知症のリスクが上昇するという研究結果があります。
また、日本でも “睡眠不足の人ほど死亡率が高い” というデータが報告されています。
5. 睡眠不足が記憶に与える影響
睡眠不足は起床時から眠気が襲い、記憶力や学習能力の低下を引き起こします。
特に影響が大きいのは以下の点です。
5-1記憶の固定が不完全になる
- ノンレム睡眠の不足
日中に学んだ情報が長期記憶として定着しにくくなり、集中力・判断力の低下が起こします。 - レム睡眠の不足
情報を組み合わせる能力(創造的思考)が低下し、判断力が鈍りストレスと感情のコントロールが難しくなる
5-2ストレス刺激の増加
睡眠不足は感情を司る扁桃体を過剰に活性化させ、不安やストレスを感じやすくなる。
5-3脳の老廃物が蓄積
グリンパティックシステムの働きが弱まり、認知症リスクが高まる。
6.良質な睡眠をとるためのポイント
記憶の定着を最大化するためには、良質な睡眠 を確保することが重要です。
- 7~9時間の睡眠を確保する
記憶の整理には十分な時間が必要。 - 寝る前にスマホやブルーライトを避ける
スマホなどで動画鑑賞はねる1時間前まで - メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を妨げない
日をまたぐ前に就寝を! - 適度な運動を取り入れる
特に午前中の運動はノンレム睡眠を深くする。 - 就寝前にリラックスする習慣を作る
深呼吸して今日の仕事の整理と明日の目標をたてる
瞑想やストレッチで副交感神経を優位に。
7.睡眠の重要性まとめ
近年スマホやサブスク動画サービスによりベッドに横になったままエンドレスに動画鑑賞ができるようになった昨今、その代償に睡眠不足、不眠といった症状を抱える方が増えました。
大きく分けて2つの睡眠のパターンがあり、
- ノンレム睡眠は記憶の固定と脳のメンテナンスに重要
- レム睡眠はスキルの向上や感情の整理を助ける
といった作用があり、夢を見るとか見ないとか深い眠り、浅い眠りといった事だけではないのです。
睡眠不足は学習能力や感情のコントロールに悪影響を及ぼしたり、その状況が続けばグリンパティックシステムの働きがわるくなり、脳内の排泄物を排泄能力が低下し認知機能の低下や精神疾患を発症するきっかけになります。
良質な睡眠を確保することは記憶力やパフォーマンスが向上しますので、仕事の効率化やスポーツで結果を出したい方は筋肉骨格のケアも大切ですが睡眠につい見直してみてはいかがでしょうか?