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大谷翔平選手の肩関節亜脱臼を脱臼経験のある柔道整復師が解説

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大谷翔平選手の肩関節亜脱臼後を柔道整復師が解説

2024年のワールドシリーズ第2戦で大谷翔平選手が盗塁でスライディンした際に左肩の脱臼をしてトレーナーに肘を抑えられながらベンチに戻る姿は世界中の大谷ファンが心配したことと思います。

このシーンはリアルタイムで見ていました。

スライディングをした際に自分の肩が外れるような嫌な感覚がありました。

なぜなら私も肩の脱臼をしたことがあるからです。

野球の練習中に右肩関節の脱臼をしたのですが、その後すぐに入ったのかそのまま試合に出続けることができました。

手術するもその社会人になってから再度試合中に脱臼した経験から大谷選手の腕の突き方と肘を抑えて痛がる姿を見て脱臼してないことを祈りました

しかし、その後の記者会見でロバート監督が

「軽い亜脱臼だ!」

「筋力や可動域には問題ない!」

というコメントがありました。

その後のネットニュースでも大谷選手が両肩でリュックを背負って球場をでていったと書かれていたのでチームドクター整復して関節は元の位置に戻ったのだと思います。

損傷直後は試合後の興奮でアドレナリンも出ているので痛みは軽いのですが、次第に炎症が強なってくる為、痛みもそれに合わせて強くなっていきます。

日常生活を送るには少し安静にしていれば痛いながらも普通に生活できることが多く次第に腫れが引き肩の不安感はありますが痛みも緩和されてきます。

しかし、世界を舞台に戦う大谷選手は関節唇の損傷や周辺組織の炎症による痛みをを抱えなら重くて長いバッドをで160キロ近いボールを打ち返さなければならないのですから

バットにボールが当たった時の肩の痛みはかなりのものだと思います。

3戦目の最終打席も左肩の痛みからなのか、フォロースルーの前に左手離してバットを振っていまいしたよね。

大谷選手は出場して大丈夫なのか?

結論からいうと大丈夫だけど大丈夫ではないです。

とても曖昧な回答になりますが、なぜそのような回答になるたというと私自身脱臼経験があるからです。

なぜそのような事がいえるかと言うと、外れた肩関節が元の位置に戻れば痛みはあっても動かせるようになるからです。

私の場合ファーストを守っていてライン際のライナーをダイビングキャッチした際に腕をバンザイした状態でグランドに倒れた際に肩が外れた感覚のような感じはあったのですが、グランドに打ち付けた反動があったせいか脱臼した後にすぐに入りタイムを取ることなくすぐにプレーを続ける事ができました。

大谷選手の場合はスライディングをした後に肩が外れたまま肩を動かすことができずトレーナーの方に肘を支えられながらベンチに引き上げたところをみると、事を大きくしない為の表記や通訳なのかもしれませんが、メディアで報道される亜脱臼というのは違うような気がします。

私は現代まで繰り返し何度も脱臼をしているのですが、その場合は習慣性脱臼と呼ばれる、損傷した場所を通過して肩が外れるので肩の痛みは少なくなってきます。

しかし、今回初めて肩関節を脱臼した大谷選手の場合は、損傷部位は大きくなるため痛みも大きくなります。

第3戦はテーピングと痛み止めで痛みを抑えて出場したところをみると強い痛みがあったということが推察されます。

今のワールドシリーズのチャンピオンに向けて痛みを押して出場する大谷選手の覚悟が伝わってきます。

しかし、一般的には安静とリハビリ後の復帰が望ましいのです。

1. 肩関節脱臼後のリハビリテーション

左肩の痛みを抱えながら強行出場を続ける大谷選手ですが、保存療法の場合はこれらの段階なリハビリを行ってから競技に復帰してください。

決して大谷選手のように強行出場するのは避けてください。

肩関節脱臼後にスポーツに復帰するためには、肩の可動域と筋力を回復させ、再脱臼のリスクを減らすことです。

リハビリの主な段階

  1. 安静期
    脱臼直後は、肩を固定して安静にする必要があります。通常、スリングやブレースで数週間固定されます。安静期中は、肩に過剰な負荷をかけないことが重要です。
  2. 可動域の回復
    固定を解除した後、まずは肩の可動域を少しずつ回復させるエクササイズを行います。リハビリの初期段階では、軽度のストレッチや無理のない動きを中心に進めます。
  3. 筋力強化
    肩を支える筋肉、特に回旋腱板(ローテーターカフ)の筋力を強化するエクササイズを行います。これにより、肩関節の安定性が向上し、再脱臼のリスクが低下します。具体的には、低負荷でのトレーニングから徐々に強度を上げ、肩の筋肉を鍛えていきます。
  4. スポーツ特化のトレーニング
    最終段階では、スポーツに必要な特定の動作を強化するトレーニングを行います。例えば、投球動作やスイングの動作を復元するための特化した運動です。

2. 再脱臼のリスク

ワールドシリーズに強行出場している大谷選手ですが、今後脱臼した左肩をどのように治療していくのでしょうか?

右投げの大谷選手の脱臼した肩が左肩だったのが不幸中の幸だったと思います。

痛みが取れて動かせるようになっても関節の不安定感やまた脱臼するかもしれない不安が付きまとう肩関節脱臼とどのように向き合っていくか?

今度どのように来期に向けてどのように治療していくかが注目です。

肩関節脱臼後、特にスポーツ選手は再脱臼のリスクが高くなります。これは一度脱臼した関節が不安定になりやすいためです。

再発リスクを高める要因は次の通りです:

  • 若年者
    特に10代や20代で初めて脱臼した場合、現役時代より筋力の低下、損傷部位が弱くなる事で再発リスクが高い傾向があります。
  • 高強度のスポーツ
    バスケットボールやラグビー、レスリングなどのコンタクトスポーツは、再脱臼のリスクを大きくします。
  • 不十分なリハビリ:リハビリを十分に行わない場合、肩の筋力が弱く、再発する可能性が高くなります。

再発防止策

  •  肩の筋力強化
    肩関節を支える筋肉、特に回旋腱板をしっかりと鍛えることで、肩の安定性が増し、再脱臼のリスクを低下させます。
  •  肩サポーターの使用
    スポーツ復帰時には、肩用のサポーターやブレースを使用することで、関節にかかる負荷を軽減し、安定性を確保します。
  • フォームの改善
    スポーツ時のフォームが悪いと肩に不必要な負荷がかかり、再脱臼のリスクが増大します。投球やスイングのフォームを正確にすることが大切です。

3. スポーツ復帰のタイミング

スポーツに復帰するタイミングは、脱臼の程度やリハビリでの肩の回復状況にもよりますが、

  • 痛みがなくなること
    スポーツ復帰前に、肩の痛みが完全になくなる必要があります。
  • 可動域が回復していること
    肩の動きが正常な可動域まで回復していることが重要です。特に肩を自由に動かせることが復帰の目安です。
  • 筋力が十分に戻っていること
    肩の筋力が十分に戻り、スポーツで必要とされる動作に耐えられることが確認されます。回旋腱板や三角筋がしっかりと強化されていることが必要です。

一般的な復帰までの期間

私の場合は脱臼した後、1週間ほど痛みがあったと思いますが、高校3年生の春の大会のベンチ入りがかかっていた事もあり我慢して試合にでることはできたのでこの場合は復帰0日ですし、

ワールドシリーズの移動日を挟んで第3戦に出場している大谷選手は復帰1日という事になりますが、

通常はリハビリを行って保存の場合、再脱臼を防げる準備をしてから復帰することが望ましいです。

  •  軽度の脱臼では、通常6〜12週間でスポーツに復帰できることがあります。
  • 重度の脱臼や手術が必要だった場合、復帰までに数か月かかることが多く、6か月以上のリハビリが必要なケースもあります。

4. 手術が必要な場合

肩の脱臼は受傷した角度に腕を動かすと肩が外れてしまうのですが、競技中にその動作をしてしまうことや、しなければならない事が多い為、繰り返し起こる場合があります。

重度の脱臼の場合、関節が非常に不安定になる事もあり、競技中に脱臼しない為には手術が必要な場合があります。

肩の靭帯や腱を修復するためのバンカート修復術という手術が一般的な方法になります。

手術後は関節の安定性を高め肩関節の再脱臼がおこらなくすることができます。

手術のメリットとリスク

  • メリット
    肩の安定性が改善され、再脱臼のリスクが低下します。
    手術後に適切なリハビリを行うことで、スポーツに完全復帰することも可能です。
    復帰後も手術前のような肩に不安を抱えず高重量でのトレーニングが可能になるためパフォーマンスの向上につながります。
  • リスク
    手術後はリハビリにより段階的な回復期間が必要になる為、肩関節脱臼の競技復帰には利き手かどうかにもよりますが、数か月から1年程度かかることがあります。

手術には感染や神経損傷などのリスクも伴います。

手術は担当医とよく相談して納得してから行ってください!

大谷選手肩関節脱臼まとめ

肩関節は複雑で可動性の高い関節ですが、その分不安定で脱臼しやすい部位でもあります。肩関節脱臼とは、上腕骨頭が関節窩から外れてしまう状態を指し、痛みや動作不全を引き起こします。脱臼は外傷や繰り返しの動作によって引き起こされ、前方脱臼が最も一般的です。脱臼を防ぐためには、肩を強化する運動や注意深い動作が重要です。