腰方形筋のトリガーポイント
腰方形筋は肋骨から始まり骨盤の上の部分(腸骨稜)に終わる筋肉で主に体を横に倒したり、骨盤を引き上げたりすると動きに関与し
トリガーポイントの関連痛は表層と深層によって異なります。
表層の関連痛はお尻外側の上の部分(腸骨稜)や股関節に発生し深層の関連痛は仙骨やお尻の下中央に発生します。
表層の関連痛
深層の関連痛
腰方形筋トリガーポイント発生原因
腰方形筋のトリガーポイント発生には以下のような原因が考えられます
1.脚長差
左右の足の長さがあると歩行時に短い方の腰方形筋に負担がかかる。
2.急激な腰椎の前後湾
転倒、交通事故による急激な腰方形筋の収縮
3.腰部への急激な負荷
重たい荷物を持ち上げた時
しかし、腰方形筋の動作的ストレスによるトリガーポイントの発生も考える一方
精神的ストレスや関連部位の筋力低下による代償でトリガーポイントを発生させることもある。
・感情的ストレス
姿勢の変化や交感神経の過緊張
・中殿筋の機能低下
代償動作を腰方形筋で行う事が多くなり酷使された結果トリガーポイントを発生させ放散痛をおこす。
腰方形筋トリガーポイントの症状
腰方形筋のトリガーポイントによる放散痛には次のような症状があります。
- 股関節、殿部、仙腸関節周辺の痛み
- 骨盤の動きを制限し小殿筋にトリガーポイントの発生
- 咳、くしゃみによる刺すような痛み
- 階段を上がるなど足を高く上げるとき腰の痛み
そのなかでも中でも注目したいのが骨盤の動きを制限し中殿筋にトリガーポイントが発生することで坐骨神経痛の様な放散痛を感じる事です。
お尻の外側に注射や湿布を貼って一時的に良くなるけどすぐに症状が戻ってしまう方は腰方形筋と中殿筋をセットで緩める事が大切です。
その他には腰方形筋の緊張が仙腸関節にズレをおこす場合がある。
仙腸関節のズレや骨盤のズレに関しては長くなりそうなので別記事で紹介したいと思います。
ここでは腰方形筋に焦点をあてて考えると、骨盤のズレを起こさないケースあり腰方形筋の緊張で骨盤を引き上げたり片側のみ前傾させる事で脚長差がでる事がありますのでカイロプラクティックの評価でみられる脚長差のチェックは厳密にいうと腰方形筋のチェックもしないと正確な判断とは言えないかもしれませんね、
病院で間違われやすい診断
腰のレントゲンや内臓の検査をしたけれ骨や臓器に問題がない場合や薬の効果をあまり感じられない場合次の様な腰方形筋のトリガーポイントや症状と合併して痛みを増幅させている可能性があります。
- 脊椎の関節炎
- 椎間板の損傷
- 股関節の滑液包炎
内科的な症状としては
- 腎結石
- 尿管結石
など…
と腰方形筋のトリガーポイントの放散痛が上記のように診断される事があります。
腰方形筋と中殿筋の相互関係
腰方形筋は中殿筋が機能していないとその動作を代償しなくてはならないためその結果トリガーポイントを発生させ股関節や仙骨に放散痛を発生させます。
また腰方形筋のトリガーポイントの2次的トリガーポイントの発生により中殿筋にもトリガーポイントを発生さるとその放散痛により坐骨神経痛のような症状を引き起こす原因となります。
どちらにしても患部を酷使したため固くなり弱くなったことが原因ですので2つの筋肉を緩める事はもちろんですが、それと併せて筋力トレーニングにより腰方形筋と中殿筋の機能を正常化させる事が腰方形筋のトリガーポイントを予防する近道となります。