【少年野球】 怒る指導者、叱る指導者
子供達を指導しているとついつい大きな声を出してしまうことがありませんか?
指導者によって大きな声を出すポイントはそれぞれですが、多くは
✔ グローブがきれいに並んでなかったり
✔ プレーにやる気が感じられなかったり
✔ 教えた動作ができなかったり
✔ エラーや三振をしたり
ではないでしょうか?
指導の一貫だと考える指導者も多いと思いますが、選手に対してその大きな声は怒ったのか?叱ったのか?では与える影響には大きな差がうまれます。
その違いについて述べていきます。
怒る指導者
怒る指導者は
自分の感情だけで大きな声を出します。
✔ そんな事もできないのか!
✔ やめちまえ!
もう誰も止められません。
選手も他の指導者もただその怒りが収まるのをまつしかありません。
その様な状況が続くと選手が指導者の怒りに震え顔色を伺いながら失敗しないようなプレーをする様になります。
するとどうなるか、
選手は思いきったプレーができなくなります。
その為、ミスを繰り返します。
するとその指導者は
✔ 何やってるんだ!
✔ そんな事もできないのか!
✔ やめちまえ!
負のスパイラル…
選手はその指導者の怒りの渦から抜け出せなくなってしまいます。
しかも、その様な指導者はターゲットをロックオンしてその選手ばかりを怒る傾向があります。
ロックオンされた選手はたまったもんじゃありません。
その様な指導者が近くにいらっしゃいましたら子供たちの未来を奪う可能性がありますので永久追放していただきたいと思います。
では叱る指導者とはどの様な指導者なのか?
叱る指導者
叱る指導者は感情的にはなりません。
すべて計算した行動をします。
- どの言葉をかけたら選手に響くのか?
- 話すスピードはどれくらいにしたらよいか?
- どのタイミングで話すのか?
- それによって選手がどの様な反応をするのか?
全てがそのとおりになるとは限りませんが、選手の行動を先読みして話をします。
そして、
✔なぜその様な行動をしたのか?
✔その様な発言をしてしまったのか?
を会話を通じて聞き出す努力をします。
すると、
- 指導者の言っている意味がわからない
- 練習メニューのレベルが高すぎる
- 家庭や学校で嫌な事があった
など、意外にも指導者や家庭に問題があるケースもあります。
その叱る事になってしまった理由を聞きださない事には問題は解決しません。
状況によっては親などから聞き取りをした方が早い場合もありますが、なるべく選手から聞き出す努力は必要です。
では選手のとったその行動や発言の原因や理由だけを聞き出せばいいのか?
と言うとそうではありません。
なぜなら、指導者が誘導尋問、選手が指導者に指摘されない答えを探し返答している事があるからです。
つまり、指導者も選手に質問する時の態度が重要になってきます。
上から見下ろしたり、大きな声を出したりするのは問題外です。
中腰になったり、しゃがんだり相手の目線に立って話を聞くというのは聞く姿勢の面では良いと思います。
しかし、自分より小さな子供達に対してそれだけでは不十分です。
✔ 指導者が選手に話を聞くときに大切にしたいこと
✔ 口調
✔ 話すスピード
✔ 表情
これらによって選手の答えは変わってきます。
多くの選手を同時に指導する為、一人にかけれる時間も少くついつい早口で大声で強い口調にになりがちですが
選手の思っている事を聞き出す為には指導者が相手の立場になって話を聞くことが重要だと考えます。
未来の為に叱るべき時
私が指導の現場で叱って良いと決めている事が2つあります。
それは、
2.感謝の気持ちを忘れた時
野球のプレーで
✔ エラーをした
✔ ボール球に手を出して三振した
✔ サインを見落とした
そんな事では叱りません
その後の態度が重要なのです。
1.態度が怠慢だった時
ここでいう怠慢とは高校野球の部活動で怠慢な態度をとった時、練習後に残って先輩から指導・・・
と言いう事ではありません。
✔ 怠慢な態度とは
- エラーしたボールを拾いにいかない
- 負ける前から諦めた態度をする
- 打った後に全力疾走しない
練習や試合でエラーしたりアウトになって悔しい気持ちは分かります。
一生懸命行ったプレーで結果がでない事なんて沢山あります。
しかし、上記の怠慢な態度は自分の事しか考えていない自己中心的な行動です。
1人の選手が怠慢なプレーをした後も練習や試合は続きます。
一緒にプレーしている選手に失礼です。
選手が怠慢なプレーをすると他のチームメイトや指導者がその1人の為に気を使わなくてはならず自分のプレーに集中することができなくなってしまいます。
結果、エラーや三振が伝染してしまいます。
チームとして戦ってる以上は他の選手が少しでもヒットが打てる確率が増える行動を心がけることが必要です。
自分の事だけしか考えていない選手を私は許すことができないのでその時は叱ります。
2.感謝の気持ちを忘れた時
野球に限らずスポーツというのは一人ではできません。
- 朝早くお弁当を作ってくれる親
- 道具を買ってくれた親
- 応援してくれる父母
- 練習しているグランドの管理者
- 対戦してくれるチーム
- 一緒に野球ができるチームメイト
- 野球を教えてくれている指導者
チームの仲間がいて、対戦相手がいて、それを主催する連盟、手伝う父母そして指導者がいて成り立っていると言う事を忘れてはいけません。
✔ グローブを叩きつけたり
✔ チームの選手にマウントをとったり
✔ 相手チームを悪く言ったり
その様な時も叱ります。
なぜなら相手や物への感謝の気持ちを忘れているからです。
他人に感謝の気持ちを持ち、物を大切にできる選手の育成ができる様に努力していきます。
私が指導する時に大切にしている事
それは、教育とリスク管理です。
私が携わった選手はチームの1人である前に社会の一人です。
その選手たちが将来社会に適応できる指導をいていかなければいけないと考えています。
いつもは優しく時には厳しく怪我の予防(リスク管理)をしながら指導していく事を心がけています。
少年野球の指導者は頭ごなしにエラーや三振に対して怒るのではなく、なぜそのような事になってしまったのかを聞き出し
選手達がどうしたらエラーをしなくなるのか?どうしたら打てるのか?を考えるべきです。
しかし、態度が怠慢や時や感謝の気持ちがない場合はしっかりと叱りましょう!!
叱っていたつもりが話が伝わらず怒らないように注意です!
叱った後はフォローも忘れずに!!
最後に、できた時は愛情を込めてしっかり褒めてあげることが大切です!