中殿筋トリガーポイント
中殿筋はズボンのポケットのすぐ後ろにあり、骨盤を左右から支える筋肉です。
大殿筋の約半分の大きさですが分厚く強い事でまっすぐ歩く事ができています。
歩行時に片足を上げる際に支える側の中殿筋が働く事で骨盤が傾くのを防いでいます。
中殿筋トリガーポイントの原因
中殿筋にトリガーポイントを発生させる原因は多く存在します。
国民の多くが一度は経験したことがある腰痛は中殿筋の的確なアプローチが改善の近道とも言われています。
1.中殿筋が弱い
中殿筋が弱いと立位で姿勢を保持したり少し歩いたでけでも筋肉が疲労してしまいます。その結果筋肉は固くなりトリガーポイントを発生させます。
中殿筋が弱い人の特徴としては大股で歩く事ができません。なぜなら大股で歩くと片足に体重がかかる時間が長くなるからです。
2.妊娠による体重増加
妊娠中の腰痛は短期間の急激な体重増加を中殿筋が支えきれなくなる事で中殿筋にトリガーポイントを発生させその関連痛による痛むことが多い
3.重たい荷物を抱えて歩く
お腹に抱えた荷物が重たい場合、重心が後方に移動するため殿部や背部に普段異常の負荷が加わります。
それに加えお腹に抱えた荷物の重さが加わる事で中殿筋を酷使することになります。前に述べたようにそれに加え重たい荷物を持って歩く行為は中殿筋にさらに負荷をかけ、トリガーポイントを発生させる原因になります。
4.腰方形筋のトリガーポイント
腰方形筋のトリガーポイントは中殿筋の領域に放散痛を発生させ、中殿筋に2次的トリガーポイントを起こす原因となります。
腰方形筋のトリガーポイント 腰方形筋は肋骨から始まり骨盤の上の部分(腸骨稜)に終わる筋肉で主に体を横に倒したり、骨盤を引き上げたりすると動きに関与し トリガーポイントの関連痛は表層と深層によって異なります。 表層の関連痛はお尻外側[…]
5.その他の発生原因
バドミントンやフェンシングなど片足を前に出して行うスポーツ、子供を同じ側に抱っこするとや足を組む動作は片側の中殿筋が疲労しトリガーポイントを発生させる。
中殿筋トリガーポイントの予防法
中殿筋を酷使する動作が多いと感じる方は
- 骨盤ベルト
- トコちゃんベルト(15センチほどの伸縮性バンド)
- ガードル など
で股関節周辺の殿筋をサポートする事が大切です。
中殿筋トリガーポイントの症状
中殿筋のトリガーポイント発生による関連痛は部位により異なります。
第1トリガーポイント
腸骨窩の上部内側に発生した場合、腸骨稜内側から仙骨部を中心に殿部全体に関連痛が発生
第2トリガーポイント
腸骨窩の上部中央に発生した場合、股関節周辺に関連痛が発生
第3トリガーポイント
腸骨と大腿骨のくぼみ部分に発生した場合、仙骨を全体的に覆うような関連痛が発生する。
この場合片側の中殿筋が原因でも左右同時に関連痛が発生する
トリガーポイントの発生により
・側臥位で寝ることができない
・歩行時の痛み
・骨盤を前に突き出して歩く
などがおこる
鑑別が必要な疾患や症状
中殿筋のトリガーポイントにおける関連痛から次の疾患や症状と間違われやすい
- 腰椎の椎間関節炎
- 椎間板ヘルニア
- 腰痛
- 仙腸関節の機能障害
- 椎骨のズレ
- 腰椎の神経圧迫
と診断され注射や湿布による治療をおこなっても効果がみられない場合、中殿筋トリガーポイントによる関連痛を疑うべきだとか考えます。
関連する筋肉
腰方形筋
梨状筋
小殿筋
大殿筋後面